派遣会社様、必見!同一労働同一賃金で求められる対策
公開:2019年5月13日
更新:2019年8月23日
2019年4月から「働き方改革」関連法案の改正がスタートしています。
「働き方改革」が馴染みあるコトバになってきました。
今回は、その中の1つである『同一労働同一賃金法』についてお伝えします!
大企業は2020年4月から、中小企業は2021年4月からとなっていましたが、派遣社員に関しては、中小企業も2020年4月からになりましたので、特に注意が必要です!
目次
同一労働同一賃金の概要
『働き方改革』は、労働者の多様な働き方を実現するための改革です。
いくつかある働き方改革の1つに、『同一労働同一賃金』があります。
同じ仕事をしているのに、正規雇用かどうかで待遇を分けてはいけない、というものです!
正社員として雇用されている労働者と、契約社員や派遣社員として雇用されている労働者。
同じ仕事をしているのに、待遇に差があるのはおかしい!とのことで法律が改正されます。
厚生労働省の公式サイトには、以下のように記載されています。
今回の改正の基本的な考え方
我が国が目指す「派遣労働者の同一労働同一賃金」は、派遣先に雇用される通常の労働者(無期雇用フルタイム労働者)と派遣労働者との間の不合理な待遇差を解消すること等を目指すものです。
(引用:平成30年労働者派遣法改正の概要)
開始時期は、大企業が2020年4月から、中小企業が2021年4月からです。
ただし派遣社員は例外で、中小企業も一律で2020年4月から施行されるので要注意です。
来年の4月1日時点には、雇用条件や待遇などを正社員に合わせておかないといけないので、日程はすごくタイトです。
派遣会社の2つの方法
派遣会社が派遣社員の待遇を決める方法は2つ、『派遣先 均等均衡法』と『労使協定表』のどちらかです。
『派遣先均等均衡』方式
“それぞれの派遣先で”、同じ仕事をしている正社員と同じ待遇にする方法です。
各派遣先から、”派遣社員と同様の仕事をしている正社員の待遇情報”を書面でもらって、それをもとに、派遣社員の待遇を決めていきます。
『労使協定』方式
労使協定を結んで、”同じ地域で働いている同職種の正規雇用者の平均以上の賃金”に設定する方法です。
職種ごとの平均賃金は、6~7月頃に公表予定となっており、現時点では未公表です。
いずれも大まかな流れは共通です。
1、派遣先から、派遣先で雇用している正社員の待遇情報の提供・派遣労働者の待遇の確定
2、派遣先と派遣元で、派遣料金の交渉・契約の締結
3、派遣会社は、雇用時と派遣時に派遣労働者に対して説明
4、社員を派遣する
3、契約までの流れ
待遇情報の提供と待遇の確定
「均等均衡方式」「労使協定方式」に関わらず、派遣先企業は、あらかじめ派遣会社に対し、自社で雇用している正社員の待遇情報を知らせなければなりません。
また、知らせる際には書類による通知が必須で、両社ともに3年間の保存義務があります。
派遣会社に待遇を知らせる従業員は以下のようにして選定されます。
派遣先が次の①~⑥の優先順位により「比較対象労働者」を選定します。
① 「職務の内容」と「職務の内容及び配置の変更の範囲」が同じ通常の労働者
② 「職務の内容」が同じ通常の労働者
③ 「業務の内容」又は「責任の程度」が同じ通常の労働者
④ 「職務の内容及び配置の変更の範囲」が同じ通常の労働者
⑤ ①~④に相当するパート・有期雇用労働者(短時間・有期雇用労働法等に基づ
き、派遣先の通常の労働者との間で均衡待遇が確保されていることが必要)
⑥ 派遣労働者と同一の職務に従事させるために新たに通常の労働者を雇い入れた
と仮定した場合における当該労働者(引用:平成30年労働者派遣法改正の概要)
派遣先と派遣元で、派遣料金の交渉・契約の締結
派遣先の企業は、派遣会社に対して待遇改善が行われるよう配慮が求められます。
また、教育訓練・福利厚生等も含めて、正社員と同等の扱いをしなければなりません。
同一労働・同一賃金は、派遣会社と派遣先の双方が、派遣労働者の待遇改善に配慮しなければ実現しない制度です。
派遣会社は、雇用時と派遣時に派遣労働者に対して説明
これまで以上に、派遣労働者への説明義務が強化されます。
(引用:平成30年労働者派遣法改正の概要)
上記の手続きを経て、ようやく労働者を派遣するという流れになります。
これまで以上に、派遣会社と派遣先企業とのやり取りが複雑になることは明白ですね。
詳細は、厚生労働省が公開している『派遣元の皆さまへ』を御覧ください。
▶「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」の施行に向けて
では次に、派遣会社がなぜ大変なのか、どう大変なのかご説明していきます!
www.rs-lab.jp/20190513/_3">派遣会社はなぜ大変?
スケジュールがタイト
2020年4月から施行されますが、4月1日の時点で対応を完了させておかなければいけません。
厳密には、2020年4月1日以降に契約する派遣社員には、上記の新ルールを適応した待遇で契約しなければなりません。
4月1日に新法で契約する為には、2月中旬には派遣先との交渉を終え、派遣社員の待遇を決定しておかなければならないでしょう。
さらに、交渉する時点で社内の情報共有や書類の作成など、様々な準備が必要です。
見直し対象になる待遇が広い
基本的には、全ての待遇に関して正規雇用の社員と差をつけてはいけません。
賃金(賞与含む)や諸手当(交通費・役職手当・割増賃金・食事補助など)、福利厚生(社宅や健康診断など)まで、ほぼ全てですね。
派遣会社の手続きが増える
4月までに、法改正の準備が必要です。
新たな書類が必要になりますし、社内で情報を共有したり、今までにない負担が増えます。
派遣先企業への交渉難
派遣先の企業が、派遣会社に頼むメリットが薄れてしまいます。
それでも引き続き労働者の派遣を依頼してもらう為には、交渉が難航するでしょう。
www.rs-lab.jp/20190513/_4">派遣会社のこれから
派遣社員と正社員の待遇が同じになると、今後、派遣先企業は自社で正規雇用を増やすことも予想されます。
派遣会社は、派遣先の企業に対して、スムーズに契約できるような準備や、引き続き契約してもらう交渉をしなければなりません。
今後は、自社で引き続き派遣契約を結んでもらえるための対策、もしくは、派遣先企業の人材確保をサポートする違った方法が必要になると思われます。
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