公開:2026年01月06日
更新:2026年01月06日
採用に関わる立場の方であれば「福利厚生は整っているはずなのに、なぜか魅力として伝わっていない」
そのように感じた経験はないでしょうか。
採用に関する情報発信や企画を見ていく中で、制度の数や内容を見る限り、決して見劣りしているわけではないにもかかわらず、志望理由や応募の動機につながりにくい企業があると感じる場面が増えています。
これは、求職者が福利厚生を単なる制度の一覧として捉えているのではなく、
その内容から
「この会社は社員をどのように考えているのか」
「どのような働き方や生活を前提としているのか」
といった、企業の姿勢や価値観を読み取ろうとしているためだと考えられます。
そのため福利厚生は、単なる補足情報ではなく、企業を理解するための判断材料の一つとして意識される場面が増えています。
本稿では、福利厚生が企業選びにどのような影響を与えているのかを整理しながら、求職者の視点で「魅力として受け取られやすい福利厚生」とは何か、また、それを採用活動に活かす際の考え方や留意点について整理していきます。
第1章:志望動機に影響する?福利厚生が企業選びで見られる理由
福利厚生は、近年の採用活動において、単なる付加的な要素にとどまらず、企業を選ぶ際の判断材料の一つとして意識される場面が増えています。
これまで福利厚生は、「あることで評価が高まる制度」として、給与や仕事内容といった主要条件を補足する役割で確認されることが一般的でした。
実際、多くの採用場面では、まず待遇や業務内容が比較され、そのうえで福利厚生が検討されるという位置付けがなされてきました。
一方で近年は、福利厚生の有無そのものよりも、どのような制度が、どのような意図で設計されているのかに目が向けられるようになっています。
求職者は福利厚生を通じて、「企業が社員の働き方や生活をどのように捉えているのか」「どのような価値観を大切にしているのか」といった姿勢を読み取ろうとしています。
その結果、福利厚生は条件比較の材料であるだけでなく、企業理解を深める要素として、採用における評価に影響を与える局面が増えつつあります。

出典:マイナビ「就活活動調査」
上記図の通り、「福利厚生の充実度によって志望度は変わりますか」という質問に対し、
「大きく変わる」「少し変わる」と回答した割合は合計で9割を超えています。
この結果から、福利厚生が志望度に対して何らかの影響を与えていると感じている求職者が多いことが読み取れます。
また、「福利厚生の充実度に惹かれて入社を検討した企業はありますか」という問いに対しても、約7割が「ある」と回答しています。
これは、福利厚生が企業に関心を持つきっかけの一つとして意識されていることを示しています。
これらの結果から、福利厚生は単なる補足情報としてではなく、企業を理解し、検討する際の判断材料の一つとして一定の存在感を持っていると整理できます。
第2章:求職者から見て「嬉しい福利厚生」はなにか
求職者が「嬉しい」と感じる福利厚生は、必ずしも目新しさや豪華さにあるわけではありません。
むしろ、自身の生活や働き方を具体的に支えてくれる実感を持てるかどうかが、評価のポイントになる場面が増えています。
福利厚生が企業選びの判断材料の一つとして意識されるようになった現在、求職者は制度の数や名称よりも、「実際に利用できそうか」「自分の状況に関係があるか」といった観点から制度を見ています。
その結果、企業側が魅力的だと考えて導入している制度と、求職者が価値を感じる制度との間に、認識のずれが生じるケースも見られます。

出典:第一生命「企業にどのような福利厚生があれば転職したいか」
上記図を見ると、求職者から関心を集めている福利厚生には、いくつかの共通した傾向が見られます。
具体的には、
・日常生活と結び付きが強いこと
・利用した際の場面や効果を想像しやすいこと
といった特徴を持つ制度が、比較的高い関心を集めています。
住宅関連の手当、休暇制度、健康支援など、生活や働き方を支える福利厚生は、「制度があるかどうか」だけでなく、自分の生活がどのように変わるかを具体的にイメージしやすい点で評価されていると整理できます。
このように、求職者は福利厚生を通じて、企業で働くことを自身の生活や働き方に重ね合わせながら検討しています。
そのため、求職者の視点を踏まえて設計・発信された福利厚生は、企業理解を深める材料となり、志望度を考える際の一つの判断要素として機能しやすくなります。
第3章:「そんな福利厚生初めて聞いた」他社と弊社の「変わった制度」を集めてみました。

企業の姿勢が表れる、特徴的な福利厚生の事例
福利厚生の中には、一般的な制度とは少し異なる切り口を持ちながら、その企業の価値観や社員との向き合い方を分かりやすく示しているものがあります。
こうした制度は、単なる話題性にとどまらず、「どのような人を大切にしたい企業なのか」を外部に伝える役割を果たしています。
ここでは、実際に注目を集めている他社の福利厚生の事例と、弊社(株式会社採用戦略研究所)の取り組みをご紹介します。
株式会社サニーサイドアップの事例
株式会社サニーサイドアップでは、「恋愛勝負休暇」や「失恋休暇」といった制度を導入しています。
勝負デートやプロポーズといった人生の節目、あるいは失恋直後で気持ちの整理が必要な時期に、休暇を取得できる仕組みです。
これらの制度は、社員の業務状況だけでなく、感情面や私生活も含めた状態に配慮しようとする考え方を反映したものといえます。
株式会社コロプラの事例
株式会社コロプラでは、「無限バナナ」と呼ばれる福利厚生を導入しています。
オフィス内にバナナを常備し、従業員が自由に栄養補給できる環境を整えることで、日常的な健康管理を支えています。
この制度は、働く中で生じる小さな不調や空腹といった、日常的なコンディションに目を向けた取り組みとして位置付けられます。
事例から見える共通点
これらの事例に共通しているのは、社員の業務時間だけでなく、日常の状態や生活背景を具体的に想定したうえで制度が設計されている点です。
このような考え方は、弊社の福利厚生においても重視している視点の一つです。。
弊社(株式会社採用戦略研究所)では、
社員の生活や家庭環境を前提に、無理なく働ける状態を支えることを目的として、いくつかの福利厚生を整えています。
具体的には、
・米の割引制度(5kg2000円)
・クリスマスケーキの無料支給
・忘年会や懇親会を就業時間内に実施(全額会社負担・子供同伴可)
といった日常生活に密着した制度に加え、社員旅行も全額会社負担・子供同伴可とし、未就学児を理由とした欠席については欠勤扱いとしない運用を行っています。
これらの制度は、特別なイベントとして設けているものではなく、社員それぞれの生活背景を想定したうえで、働くことを日常の延長として捉える考え方から設計したものです。
このように、福利厚生の価値は制度の珍しさや話題性そのものによって決まるわけではありません。
制度を通じて、「どのような人を大切にしているのか」「どのような働き方を自然なものとして考えているのか」が、無理なく伝わるかどうかが重要になります。
だからこそ、福利厚生については制度の内容だけでなく、その背景にある考え方や前提を含めて伝えることが、採用活動における企業理解を深める一助となります。
第4章:福利厚生導入のメリット・デメリットと見落とされがちな注意点
福利厚生の導入は、社員の満足度や就業環境の改善といった側面で一定の効果が期待される一方、企業側にはコストや運営面での検討事項も伴います。
そのため、導入にあたっては、企業として得られる効果とあらかじめ想定すべき課題の両面を整理しておくことが重要です。
ここでは、福利厚生の導入によって企業側にどのようなメリットが期待できるのか、また、導入時に留意すべき点について整理します。

① 社員満足度の向上
福利厚生は、社員の生活や働き方を直接支える制度です。
生活面での不安や負担が軽減されることで、企業に対する安心感や納得感が生まれやすくなります。
こうした安心感は、日々の業務に対する前向きな姿勢につながり、結果として職場への定着意識を支える要素の一つとなります。
② 労働生産性の安定
福利厚生によって健康管理や休息の機会が確保されると、社員が安定したコンディションで働きやすくなります。
体調不良や疲労の蓄積を防ぐ仕組みがあることは、欠勤やパフォーマンスのばらつきを抑える観点でも有効です。
このように、福利厚生は直接的な成果向上というよりも、安定して力を発揮できる環境を整える役割を果たします。
③ 企業イメージ・信頼性の向上
福利厚生は、社内だけでなく社外に対しても、企業の姿勢を伝える要素となります。
社員への配慮が制度として継続的に運用されていることは、「人を大切にしている企業」という印象を形成しやすくなります。
こうした取り組みの積み重ねは、企業活動が一時的な施策ではなく、長期的な方針に基づいて行われていることを示し、結果として企業への信頼感につながります。
福利厚生導入における留意点
① 全社員のニーズに対応することは難しい
社員のライフステージや価値観は多様であり、一つの制度ですべての社員を満足させることは困難です。
制度によっては利用者が限定され、恩恵を受けにくい社員が生まれる可能性もあります。
そのため、制度設計の際には「誰の、どのような課題を支える制度なのか」を明確にする必要があります。
② 継続的なコストと運用負担が発生する
福利厚生には、導入時だけでなく、継続的な費用負担が伴います。
制度の数や内容によっては、長期的なコスト管理が課題となる場合があります。
また、利用ルールの整備や社内周知、運用管理といった対応も必要となり、制度が増えるほど管理面での負担が大きくなる点には注意が必要です。
③ 見直しや廃止の際に慎重な対応が求められる
福利厚生は社員の生活や働き方に直結する制度であるため、一度導入すると内容の見直しや廃止を行う際には慎重な判断が求められます。十分な説明や代替策がないまま変更を行った場合、社員の不安や不満につながる可能性があります。
そのため、導入にあたっては、短期的な効果だけでなく、中長期的な運用を見据えた検討が求められます。
福利厚生は、導入しただけで自動的に効果が表れるものではありません。
自社の社員構成や働き方に合った制度を選び、無理のない形で運用できるかどうかが、制度を活かすうえでの重要なポイントとなります。
メリットと留意点を整理したうえで導入を検討することで、福利厚生は企業にとって、採用や定着を支える制度として、継続的に機能していきます。
第5章:まとめ 福利厚生を「採用戦略」として機能させるために

これまで見てきた通り、福利厚生は企業選びにおいて、求職者が注目する要素の一つとなっています。
一方で、制度の内容や数を充実させるだけでは、必ずしも採用上の評価につながらないケースも見られます。
この差が生じる背景には、福利厚生が採用全体の設計の中でどのような役割を担っているのかが整理されているかどうかという点があります。
単独の制度として捉えるのではなく、採用方針やメッセージとの関係性の中で位置付けられているかが重要です。
採用戦略の観点から福利厚生を検討する際には、次のような視点が求められます。
・自社は、どのような人材に選ばれたいのか
・その人材にとって、意味のある制度になっているか
・採用メッセージや企業の方針と矛盾していないか
福利厚生は、企業が社員とどのように向き合っているのかを示す要素の一つです。
そのため、制度そのものの良し悪しだけでなく、どのような考え方で設計され、どのように伝えられているかが、採用における評価を左右する要因となります。

弊社、株式会社採用戦略研究所では、福利厚生を含む採用全体を、
企業が「なぜ選ばれるのか」を整理し、設計する取り組みとして捉えています。
福利厚生は、単に制度を増やすことが目的ではありません。
どのような制度を、どのような意図で設計しているのか。その背景にある考え方こそが、企業の姿勢や人材への向き合い方として、求職者に伝わります。
福利厚生は「あるかどうか」ではなく、「どのように受け取られるか」によって、採用に与える影響が大きく変わる要素です。制度の数や目新しさではなく、企業の考え方や採用メッセージと一貫した福利厚生であるかどうかが、採用における評価を左右します。
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このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
・福利厚生は整っているものの、採用上の強みとして十分に伝わっていない
・福利厚生が他社と比べて、どの点で意味を持つのか整理できていない
・制度と実際の働き方にずれが生じている
これらの課題は、福利厚生を単独の制度として捉え、採用全体の設計と切り離して考えてしまうことで生じるケースが多く見られます。
弊社では、福利厚生を含めた採用の全体像を整理し、「誰に、何を、どのように伝えるのか」という視点から、採用設計を支援しています。
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