公開:2026年01月06日
更新:2026年01月06日
近年の就職活動では、生成AIやSNSの活用が広がりを見せています。
自己分析やエントリーシートの作成に生成AIを活用し、SNSを通じて企業情報や職場の雰囲気を確認する行動は、従来と比べて一般的なものになりつつあります。
一方で、このような就職活動の変化は、学生の利便性向上のみにとどまらず、企業の採用活動そのものにも影響を及ぼし始めています。応募書類の内容や表現の傾向に変化が見られるほか、企業理解の進み方についても、従来とは異なる様相を示しています。
このような変化を背景として、選考の進め方や評価の視点について、あらためて整理の必要性を感じる企業も増えています。
さらに、生成AIの活用が進むことで、応募者の個性が把握しにくくなるのではないかという懸念や、評価の公平性、理論的な配慮をどのように考えるべきかといった論点も浮かび上がっています。これらの論点については、現時点で明確な正解が定まっているとは言い切れません。
本稿では、就職活動における生成AIおよびSNS活用の現状を整理したうえで、企業および人事担当者が把握しておくべき変化のポイントを確認していきます。
第1章:就活活動におけるテクノロジー活用の現状
現在の就職活動では、生成AIやSNSの活用が、単なる補助的なツールという位置付けを超え、多くの学生にとって実務的な選択肢として定着しつつある状況が確認されています。就職活動の各工程において、デジタルツールの活用を前提とした行動が広がっており、学生の情報収集や準備の進め方に変化が生じています。
このような状況について、マイナビが公表している「新卒採用・就職戦線総括(2026年卒)」によると、就職活動において生成AIを利用した経験がある学生は66.6%に達しています。この結果から、生成AIの利用は一部の学生に限られた取り組みではなく、一定の広がりを持った行動として捉えられます。

出典:マイナビ「新卒採用・就職戦線総括(2026年卒)」

出典:マイナビ「新卒採用・就職戦線総括(2026年卒)」
また、同調査では生成AIの利用目的についても整理されています。最も多い利用目的はエントリーシートの推敲で68.8%となっており、次いでエントリーシートの作成や自己分析といった項目が挙げられています。
同調査結果から、生成AIは文章を自動生成する手段としてだけではなく、自身の考えや経験を整理し、表現を整える工程において活用されている状況が読み取れます。
このような利用傾向を踏まえると、生成AIは就職活動において、思考を代替する存在というよりも、検討や準備を進める過程を支援する役割として位置付けられていると整理できます。学生は生成AIを活用することで作業負荷を軽減しつつ、限られた時間の中で選考対策を進めている状況にあります。
したがって、現在の就職活動においては、生成AIやSNSの活用が特別な工夫ではなく、就職活動を進める上で現実的な選択肢の1つとして受け入れられ始めている段階にあります。このような前提条件の変化は、今後の採用活動を検討する上で、企業にとっても無視できない要素になりつつあります。
第2章:生成AI活用の広がりと学生の就職観への影響
生成AIは、就職活動の中で志望動機や自己PRの作成を支援するツールとして利用され始めていると同時に、学生の就職観や志望先の選択に影響を与える可能性が一部で確認されています。就職活動の各工程では、情報整理や自己表現のプロセスが重要となります。そのような作業を効率化する仕組みとして生成AIが一定の役割を果たしている一方で、AIを取り巻く環境の変化自体が、就職観や志望先の意思決定に作用する側面があることも示されています。
この点は、生成AIの具体的な利用行動そのものではなく、テクノロジーの進展が学生の価値観形成に影響している可能性を示唆しています。

出典:マイナビ「大学生活動実態調査」
上記調査によれば、先進的なAI技術などの「新しいテクノロジーの登場が就職観や志望業種・職種・企業選択に影響した」と回答した学生は15.3%に達しています。これは回答全体の中では少数派ではありますが、学生の一部にとって、テクノロジーの進展が意思決定に影響を及ぼしていることを示しています。
調査では、影響があると答えた学生の声として
・IT活用やデジタル化の進んだ企業が志望先の選択肢に入った
・AIでは代替出来ない対人価値の高い仕事を志望するようになった
といった、テクノロジーの進展に対する前向きな評価と慎重な姿勢の双方が確認されています。一方で、テクノロジーの登場を理由に就職観が変化しなかった学生も多く、価値観の多様性が存在している状況も示されています。
このような学生側の価値観の変化と並行して、企業側においても、採用選考の一部にAIツールを取り入れる動きが見られるようになっています。具体的には、応募者情報の整理や管理、適性検査の補助、日程調整など、評価や合否判断そのものではなく、選考プロセスの効率化を目的とした活用が中心となっています。

出典:マイナビ「大学生活動実態調査」
上記調査によれば、企業が採用選考にAIツールを導入しているケースについて、「評価や合否に関わらない補助的な用途であれば不安はない」と回答した学生は64.2%と最も多い結果となっています。一方で「いかなる用途であっても活用には不安である」と回答した学生は10.3%にとどまっており、全体としては限定的な活用であれば受け入れる姿勢を示す学生が多い状況がうかがえます。
このような動きは、採用活動における業務負荷の軽減を目的としたものである一方、学生にとっては、「どのような基準で評価されているのか」「AIツールが選考にどの程度関与しているのか」を意識する要因にもなり得ます。つまり、テクノロジーの登場は学生の就職観だけでなく、企業の採用姿勢そのものを読み取る材料の一つとして認識され始めていると整理できます。
その結果、学生は企業選択において、制度や待遇だけでなく、採用プロセスや情報開示の姿勢、テクノロジーとの向き合い方にも目を向けるようになっています。このような視点の変化は、次章で扱うSNSを通じた企業理解の広がりとも密接に関係しています。
第3章:SNSを通じた企業理解のつながり
就職活動においてSNSは、企業の公式情報に加えて、学生が企業理解を深める判断材料として位置づけられている情報源となっています。前章までに示した通り、学生は採用プロセスや価値観の多様性を意識しながら、企業選択を進めています。
そのような中で、従来の企業ホームページや求人情報だけでは把握しにくい、社風や働き方の実感に近い情報を得られる手段として、SNSの存在感が高まっています。
PR TIMESが実施した学生調査においても、多くの学生がSNSを通じて企業情報を確認しており、SNS上での企業発信が学生の意思決定に影響していることが示されています。

出典:PR TIMES「SNS就活実態調査」(2025)
同調査によると、就活生の86.1%が「企業のSNSアカウントは必要である」と回答しており、求人媒体や企業ホームページで得られる情報だけでは十分ではないと考える学生が多いことが示されています。
さらに、下記図の通りSNSで社名を検索したと回答した学生は85.8%に達しており、SNSを通じた情報取得が一般的な行動となっている状況が読み取れます。


出典:PR TIMES「SNS就活実態調査」(2025)
また、SNSの企業アカウントを確認した結果、約9割の学生が入社意欲が高まったと回答しています。この結果は、SNS上で企業の日常や社員の発信を確認することで、企業に対する理解や安心感が高まっている可能性を示唆しています。加えて、半数以上の学生がSNSをきっかけに企業の選考を受けた経験があると回答しており、学生の行動にも一定の影響が生じていることがうかがえます。
これらの結果から、SNSは単なる情報収集ツールではなく、学生が企業を判断する上での重要な接点の一つとして機能していると整理できます。特に、写真や動画といった視覚的な情報を通じて、企業の雰囲気や価値観を把握できる点が、判断材料として評価されていると考えられます。
したがって、SNSは就職活動における情報収集ツールとして定着しているだけでなく、学生の企業理解や意思決定にも影響を及ぼしている状況にあります。企業側は、SNSを通じた発信内容が学生の評価プロセスにどのように作用しているのかを把握した上で、採用コミュニケーションの設計を検討する必要があると考えられます。
第4章:生成AI・SNSにおいて問われる「個性」と「倫理」

生成AIやSNSの活用が就職活動に定着しつつある中で、企業の採用選考では、利便性だけでなく、応募者の個性や選考の公平性、倫理的な配慮がこれまで以上に重視される局面に入っています。
生成AIは、文章作成や情報整理を効率化するツールとして一定の有用性があります。一方で、同じような指示や条件で生成されたアウトプットは、表現や構成が似通いやすい傾向があります。
その結果、応募書類の内容から応募者本人の考えや価値観が読み取りにくくなる可能性があります。
また、SNSを通じた企業理解が進む一方で、企業の発信内容が採用広報として過度に演出されたものだと受け取られた場合、入社後のギャップにつながる懸念もあります。そのため、企業がどのような価値観を持ち、どのような姿勢で情報を発信しているのかが、倫理的な観点から注目される要素となっています。
このように、生成AIやSNSの活用が進む現在の就職活動では、ツールの使用可否そのものよりも、どのような姿勢でツールを活用しているかが、重要な判断材料になりつつあります。
企業側にとっては、選考の効率化と同時に、応募者の個性をどのように見極め、公平性をどのように担保するかを整理することが、今後の採用活動における重要な論点になると考えられます。
第5章:まとめ 変化する時代と共に無理のない採用設計を

生成AIやSNSといったテクノロジーの活用が、学生の行動や選考の受け止め方に影響を与える中で、採用活動の最適化は企業ごとの課題になっています。このような状況においては、外部の視点を取り入れながら採用設計を整理することが有効です。
本稿で整理してきた通り、就職活動を取り巻く環境は変化しており、学生の情報収集、自己表現、企業理解の在り方も多様化しています。このような環境下では、従来の採用プロセスをそのまま維持するだけでは、求職者との接点や評価の公平性が十分に担保されない可能性があります。。
そのため、採用全体を俯瞰した上で、採用手法、評価基準、発信設計、候補者体験を点検し、必要に応じて再整理することが求められています。

・求人広告代理店業務として、企業の採用課題に応じた媒体選定から原稿作成、掲載までを一貫して支援しています。
・人材採用代行サービスとして、応募者対応や面接調整などの採用実務における負担軽減を支援しています。
・WEBマーケティング支援により、採用専用サイトの集客力向上を図り、求人媒体への依存を抑える取り組みを提供しています。
・Cloud Recruitment System(CRS)などのクラウド採用システムを活用し、求人情報の多媒体連携や応募者管理の効率化にも対応しています。
これらの支援は、単体のツール活用にとどまらず、採用全体の最適化と実務負担の軽減につながるものです。
採用環境が変化する現在、生成AIやSNSといったテクノロジーをどのように採用設計に取り込むかについては、一律の正解があるわけではありません。自社の状況や採用方針に応じて、適切な在り方を検討していく必要があります。
現在の採用活動において課題や違和感を感じている場合には、客観的な視点と実務支援を組み合わせた支援を検討することも一つの選択肢となります。
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このようなお悩みをお持ちではないでしょうか。
・SNSや生成AIを前提とした就職活動に対し、現在の採用設計が合っているか判断できていない
・応募書類や選考対応において、AI活用をどこまで許容すべきか整理できていない
・採用プロセスや発信内容が、学生からどのように受け取られているのか把握できていない
このような状況がある場合には、状況整理から検討する余地があります。
弊社では、SNSや生成AIが採用インフラとなりつつある現状を踏まえ、「誰に、何を、どのように伝えるのか」という視点から、採用設計を支援しています。
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