福利厚生について ~福利厚生のトレンドや実際にあって良かった福利厚生などもご紹介~
公開:2024年4月4日
更新:2024年4月4日
目次
福利厚生とは
福利厚生とは、給与以外で従業員が得る利益や利便性を指します。福利厚生には、法律で定められた法定福利厚生と、企業が独自に設ける法定外福利厚生があります。法定福利厚生には、社会保険や年金、労働保険、年次有給休暇などが含まれます。法定外福利厚生には、住宅補助や食事補助、保養施設や社宅、教育訓練や自己啓発、健康管理やメンタルヘルス、福利厚生倶楽部や社内イベントなどが含まれます。
福利厚生の目的は、従業員やその家族が幸福かつ健康的で豊かな生活を送るためであり、従業員のモチベーションやエンゲージメントを高め、生産性や定着率を向上させる効果や採用力や企業イメージの向上も期待できます。
本ブログでは福利厚生を充実化させるポイントや実際の福利厚生の紹介、福利厚生のトレンドなどをまとめています。是非参考にしてみてください。
福利厚生のトレンド
福利厚生は、時代や社会情勢の変化に合わせて、その内容や形態も変化してきました。近年の福利厚生のトレンドとしては、以下のようなものが挙げられます。
ハコモノからヒトモノへ
ハコモノとは、物的な福利厚生のことで、社宅や保養施設などが代表例です。バブル期には、多くの企業がハコモノを設けて、従業員の生活を支援していました。しかし、バブル崩壊後は、経営環境の悪化や従業員のニーズの多様化により、ハコモノの福利厚生は縮小傾向にあります。
一方、ヒトモノとは、人的な福利厚生のことで、教育訓練やキャリア支援、健康管理やメンタルヘルスなどが代表例です。ヒトモノの福利厚生は、従業員のスキルや能力、健康や幸福感を高めることで、企業の成長に貢献することを目的としています。ヒトモノの福利厚生は、人手不足や少子高齢化、働き方改革などの社会的課題に対応するために、注目度が高まっています。
働き方改革を推進する福利厚生
働き方改革とは、労働時間の上限規制や残業削減、多様な働き方の導入など、労働者の働き方を見直す取り組みのことです。働き方改革は、労働者のワークライフバランスの実現や生産性の向上、人材の確保や育成など、企業にとってもメリットが多いものです。
働き方改革を推進する福利厚生とは、従業員が柔軟に働ける環境を整えるためのものです。例えば、在宅勤務やリモートワークの導入や支援、フレックスタイムや時差出勤の制度、テレワークに必要な機器や通信費の補助、子育てや介護などの両立支援などがあります。これらの福利厚生はコロナ禍での感染防止や緊急事態宣言にも対応できるものです。
福利厚生の必要性と効果
福利厚生を充実させることで、以下のようなメリットや効果が期待できます。
従業員の満足度向上と生産性向上の関連性
従業員の満足度と生産性は密接に関係しています。満足度の高い従業員は、モチベーションやコミットメントが高く、より生産的に働くことができます。一方、満足度の低い従業員は、パフォーマンスや品質が低下し、離職率も高くなります。福利厚生は、従業員の働きやすさと満足度を高めることができます。例えば、通勤や住宅に関する費用を補助することで、経済的な負担を軽減できます。また健康や医療に関するサービスを提供することで、心身の健康を維持・促進できます。さらに育児や介護に関する支援をすることで、仕事と家庭生活の両立をサポートできます。これらの福利厚生は、従業員のストレスや不安を減らし、ワークライフバランスを改善することにつながります。その結果、従業員の満足度や生産性の向上が期待出来ます。
人材確保・定着への影響
競争力のある市場環境では、優秀な人材を確保し続けることが重要です。しかし人材不足や高齢化などの社会的な要因により、人材の流動性が高まっています。そのため人材の採用や定着に苦労している現状を考えても、福利厚生は優秀な人材を引き出す魅力的な要素の1つとなります。実際、就職・転職の際に、福利厚生を重視する人は約8割にものぼると言われています。また、福利厚生の充実度は従業員の離職意向にも影響します。
つまり、福利厚生を充実させることで人材の確保や定着につながるのです。特に自社の強みや特色を反映したオリジナルの福利厚生を提供することで、他社との差別化やブランディングにも効果的です。
企業イメージとブランド価値への影響
福利厚生の充実は企業のイメージやブランド価値にも大きく関わります。福利厚生は、企業の社会的責任や従業員への配慮を表すものとして、社内外のステークホルダーに評価されます。
例えば、健康経営やダイバーシティなどの取り組みを福利厚生として実施することで、企業の社会的貢献度や信頼性を高めることができます。また、自社の商品やサービスに関連した福利厚生を提供することで、企業のコアバリューやアイデンティティを強化することができます。
これらの福利厚生は、企業のイメージやブランド価値を向上させることにつながります。その結果、顧客やパートナーとの関係性やロイヤルティも高まるでしょう。
福利厚生の充実化のためのポイント
福利厚生の充実化は、企業にとって多くのメリットや効果をもたらしますが、それだけに課題やコストも大きくなります。そこで、福利厚生の充実化を成功させるためには、以下のようなポイントを押さえておく必要があります。
従業員のニーズや期待を把握する
福利厚生は、従業員のニーズや期待に応えることができるものでなければ意味がありません。そのため、福利厚生の充実化にあたっては、まず従業員の声を聞くことが重要です。従業員の声を聞く方法としては、アンケートやインタビュー、ワークショップなどがあります。これらの方法を通じて、従業員の現状や課題、希望や要望を把握することができます。また、従業員の年齢や性別、職種や役職、家族構成やライフステージなどの属性や特徴によって、福利厚生のニーズや期待は異なることも考慮する必要があります。従業員の声を聞くことで、福利厚生の優先順位や方向性を明確にすることができます。また、従業員の参加や意見を求めることで、福利厚生への関心や理解、納得感を高めることができます。
従業員のニーズや期待を把握する
福利厚生の充実化は、一度行えば終わりではありません。福利厚生の効果を測定し、改善のためのサイクルを確立することが必要です。
福利厚生の効果測定には、以下のような方法や指標があります。
☑利用率や満足度などの定量的なデータを収集・分析する
☑フィードバックや感想などの定性的なデータを収集・分析する
☑従業員の離職率や生産性、健康状態などのKPIをモニタリングする
☑ベンチマークやベストプラクティスなどの外部情報を参考にする
福利厚生の効果測定を行うことで、福利厚生の有効性や課題を把握することができます。また、測定結果に基づいて、福利厚生の改善や導入のための計画や予算を策定することができます。
福利厚生の効果測定と改善は、継続的に行うことが重要です。環境やニーズが変化する中で、福利厚生の充実化は常に進化するものであるということを忘れないでください。
福利厚生の種類
福利厚生には、法律で義務付けられている「法定福利厚生」と、企業が自由に設定できる「法定外福利厚生」の2種類があります。それぞれの種類と内容を以下にまとめました。
【法定福利厚生】
法定福利厚生とは、法律で企業に加入や支払いが義務付けられている福利厚生です。社会保険や労働保険などが該当します。法定福利厚生には、以下の6種類があります。
■健康保険:病気やケガによる医療費の一部を補助する保険です。社員とその扶養家族が加入対象です。健康保険料は、企業と社員が折半で支払います。
■厚生年金保険:老後の生活を支えるための年金保険です。社員が加入対象です。厚生年金保険料は、企業と社員が折半で支払います。
■介護保険:介護が必要な人に介護サービスや給付金を支給する保険です。40歳以上の社員とその扶養家族が加入対象です。介護保険料は、健康保険料と一緒に徴収されます。
■雇用保険:失業や育児・介護などで働けない場合に給付金を支給する保険です。所定の労働時間や雇用期間などの条件を満たした社員が加入対象です。雇用保険料は、企業と社員が折半で支払います。
■労災保険:業務中や通勤途中に病気やケガをした場合に医療費や給付金を支給する保険です。全ての社員が加入対象です。労災保険料は、企業の全額負担です。
■子ども・子育て拠出金:子どもや子育てを支援するための制度です。児童手当の支給や地域の子育て支援事業などに使われます。子ども・子育て拠出金は、厚生年金保険の加入事業所の全額負担です。
ダイバーシティ・インクルージョン・プログラムを実施することで、多様性を促進することができます。このプログラムでは、異なる文化や背景を持つ社員同士が交流し、相互理解を深めることができます。また、社員同士が協力して業務に取り組むことで、チームワークやコミュニケーション能力の向上にもつながります。
【法定外福利厚生】
法定外福利厚生とは、法律で定められていない福利厚生です。企業が自由に設定できるため、多様な内容や形態があります。法定外福利厚生には、以下の10種類があります。
■財産形成:社員の貯蓄や資産運用を支援する制度です。財形貯蓄制度や社内預金制度、持株会やストックオプション制度などがあります。
■食事補助・健康管理:社員の食事や健康を支援する制度です。社員食堂や食事券、健康診断やメンタルヘルスケアなどがあります。
■休暇:社員の休息やリフレッシュを支援する制度です。有給休暇や夏季休暇、慶弔休暇や特別休暇などがあります。
■余暇・レクリエーション:社員の趣味や娯楽を支援する制度です。社員旅行やレジャー施設の割引、クラブ活動やイベントなどがあります。
■自己啓発:社員のスキルや知識を向上させる制度です。研修やセミナー、資格取得や通信教育の補助などがあります。
■慶弔・災害:社員の慶事や弔事、災害に対応する制度です。慶弔見舞金や災害見舞金、保険加入の補助などがあります。
■住宅補助:社員の住宅に関する費用を支援する制度です。住宅手当や家賃補助、社宅や独身寮、持ち家補助などがあります。
■働き方:社員の働き方を柔軟にする制度です。フレックスタイムや時短勤務、在宅勤務やテレワークなどがあります。
■育児・介護の両立支援:社員の育児や介護と仕事の両立を支援する制度です。法定以上の育児休業や介護休業、託児施設や育児補助などがあります。
■交通関連:社員の通勤や出張に関する費用を支援する制度です。通勤手当や駐車場の提供、出張手当や交通費の補助などがあります。
今、求められている福利厚生
あったら嬉しい福利厚生は「休暇制度」が最多であることが分かります。
「諸手当」、「各種補助」などが続き、ワークライフバランスや生活の負担軽減につながる福利厚生を求める傾向にあると言えます。
一方で「レクリエーション(社員旅行、懇親会、部活動、レジャー施設等の利用補助など) 」(17.0% )、「保養所」(8.1%)のようにアトラクション要素が強く、かつての福利厚生の定番とみなされるような項目は回答が少ないことがわかりました。
出典:マイナビ2024年卒大学生活動実態調査(4月)
筆者が入社した会社4社の中で良かった福利厚生をご紹介!
真夏日のアイスクリーム食べ放題
前職にはスーパークールビズの一環としてアイスが食べ放題の制度がありました。
冷房や服装だけではなく冷たいものを食べて体を冷やそうという背景があったそうです。夏になると社内の冷凍庫が様々な種類のアイスで埋まり、自由に食べられるという制度です。真夏の外回り後に頂くアイスは格別ですし、熱中症対策にもなりますよね!
資格所得推奨金制度
社員自らのスキル向上を図ることを目的とした資格取得奨励金制度。
会社が指定する対象資格を取得した社員に対して、毎月の給与が昇給されるというもの。
私も前職でこの資格所得制度を使用して資格を取得しました!仕事に活かせる資格が学べて、月給も増えるという一石二鳥の福利厚生なので活用している社員も多くいました。また資格に合格すると、社内表彰として全社員に発表があったのでモチベーションも上がり、そういった取り組みも良かったと思います。
語学学習支援
就業後に語学レッスンを割引価格または無料で受講できる制度。
私も前職の就業後に会社の制度を使用して週に1度、中国語のマンツーマン授業を受講していました!
通常の語学教室よりもかなり安い価格で受講ができ、また仕事後のリフレッシュする時間にもなり、とても良い制度でした。仕事終わりに別の場所に移動する手間が省け、そのまま社内で受講ができるのも社会人にとっては嬉しいポイントですよね。海外出張や海外駐在の可能性がある総合職ではなくても、どの職種の社員でもこの制度を利用することが推奨されていました。
企画コンテスト制度
筆者が化粧品会社に勤務していた時のもので、自分で考えたオリジナルの商品案を会社に提出し、企画が評価されるとインセンティブが貰えるという制度。
商品の提案だけではなく、その商品が売れるという根拠等も記載し、その商品案に対するレベル評価がされ、評価ごとにインセンティブが貰えるというものでした。仕事に対するモチベーションも上がり、またインセンティブも貰えるためとても良い制度でした!評価されるだけではなく、実際に自分が提案した商品が商品化された時はとても嬉しかったです。
開発チームではなくても、職種によってはカスタマーとの距離が近く、お客様のリアルな声を元に新商品のアイデアを提案することもできるため、そういった制度は会社としても様々な視点からのアイデアを吸収できるので良い制度ですよね。
クリスマスケーキ
なんと毎年クリスマスの時期に会社からクリスマスケーキがプレゼントされるという福利厚生です。
この写真は現在の㈱採用戦略研究所の福利厚生で実際に会社から頂いたクリスマスケーキです♪
毎年予約が大変なクリスマスケーキが会社から頂けるというのはなんとも嬉しい制度ですよね。また、何種類ものケーキやアイスから自分の好きなものを1つ選択して自宅に郵送できるというもの。子供がいる社員も多くいるのでとても有り難い福利厚生だと思います。
X(旧Twitter)でも投稿したところ、多くの方から反響がありました!!!
人事担当者として、私たちは従業員の幸せと生産性を最大化するための鍵となる役割を果たしています。福利厚生はその一部であり、その価値を最大限に引き出すためには、絶えず新しいアイデアを探し、従業員のニーズに対応する柔軟性が求められます。より強固な組織文化と満足度の高い従業員を得られるより良い職場環境を創造する手助けとなれば幸いです。
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